熱帯魚屋さんに行くと、小さな水槽に1匹ずつ入れられた「ベタ」という熱帯魚を見ることができます。
これがベタ。色鮮やかでヒレが長くて優雅な熱帯魚です。
他の熱帯魚は大きな水槽に10匹20匹とたくさん入れられているのですが、なぜベタは一匹ずつ入れられているのでしょう?
もしかしてイジメられてる!?
ベタさん可愛そう!
パパ、買ってあげて!!
・・・なんて流れでお子さんにせがまれて家にお迎えしたお父さんもいるかもしれませんね笑
ただしこのベタ、金魚などとは飼い方が異なります。
「グラスや瓶で飼えますよ〜」と熱帯魚屋さんに言われるかもしれませんので「なんだ誰でも飼えそう!」と思ってしまうかも。
でも、できればきちんとした水槽で飼ってあげて下さい。
今回は優雅で美しい熱帯魚「ベタ」の飼い方について、初心者が躓きやすい『飼育する水槽の大きさ』を中心にご紹介します。
ベタの簡単な紹介
ベタの特長はなんといっても大きく美しいヒレです。
ベタの種類にもよりますが、背ビレから尾ビレ、腹ビレまでグルっと、まるでお月さまのようなヒレを持つものもいます。
市販されているベタは体調4センチほど。これが一般的な成魚のサイズです。
体色もさまざまで、赤、青、黄色、白、黒などの単色から、身体は白でヒレが青とか、はたまた錦鯉のような模様のものもいます。
ベタの原産国はタイ。メコン川が原産とされ、川や池・沼、水田などに生息しているそうです。川が氾濫してできた水たまりでも生息することがあるんだとか。
というのも、ベタは「ラビリンス器官」という特殊な器官を持っていて、空気中の酸素を口から取り入れ酸素を得ることができるのです。
また、水質にあまり敏感ではない(つまり多少水が汚れても生きていける)ため、水質が悪化しやすく水中の酸素が少なくなりがちなコップでも飼育できる、というわけです。
ベタは単独飼育!
熱帯魚屋さんで売っているひらひらと美しいヒレのベタは観賞用に品種改良されたもの。
ベタはオス同士で激しく縄張り闘いをする魚で、その性質を利用して『闘魚(魚同士を戦わせる遊び)』として親しまれてきました。
より強い魚にするため品種改良をする過程で、今のようなヒレが長く美しいベタが誕生したそうです。
美しくなっても性格が穏やかになるわけではなく、お店で売っている綺麗なベタも、オス同士では相手がボロボロになるまでケンカをします。
なので、お店では一匹ずつ水槽が区切られているんですね。
購入して家にお迎えしても、基本的に1水槽1匹の単独飼育が原則です。
本題、ベタの水槽はどの大きさがベスト?
さて前置きが長くなりました。
「コップやワイングラスでも飼える熱帯魚」として有名なベタですが、実際に飼育するとなるとどのくらいの大きさの水槽が良いのでしょうか?
実は今回の記事はすでにアップしているこの動画。
この動画のスピンオフ、じゃないけど焼き直し&説明追加になります。
お時間あれば動画もご覧ください。
大きすぎず、小さすぎず
今回ベタを飼育するにあたって、試してみた水槽は5つあります。
- ダイソーのプラケース小
- ダイソーのプラケース中
- GEX グラステリア・ベタ
- KOTOBUKI レグラスフラット
- GEX グラステリア30センチキューブ
1〜3は長期飼育というより一時飼育として使用していました。
当然どれもコップよりは水量があります笑
しかしダイソーのプラケース小とGEXグラステリアベタは中に入る水量が少なすぎます。
ダイソーのプラケース中はそこそこ水量が入りますが、小サイズと同様、素材がプラスチックですし、水槽をインテリアとして捉えるのであれば見た目が悪いです。
ベタ飼育水槽は水量&鑑賞しやすさ
実際に使用してみて、ベタ飼育水槽として適しているのは4と5です。
特にコトブキレグラスフラットは水容量が9リットルほどと、ベタ1匹を飼うにはちょうどよいサイズ。
フレームレスで、シリコンもブラックなのでインテリアとしても◎。
30センチキューブ水槽も悪くないです。
ベタを1匹飼うには広いかなぁと思いますが、水草を入れたり他の熱帯魚と混泳させるのであれば30センチキューブ水槽は良い選択かと思います。
いろいろレイアウトし易いですし、扱いやすいサイズです。
アクア用品のお買い物はcharmさんが安いです!
水草や石・流木は入れて大丈夫?底床は?
水槽で飼育する場合、レイアウトに水草や流木・石を入れたくなります。
また、底床はソイルが良いのでしょうか?砂が良いのでしょうか?
底床はなんでもOK
底床はソイルでも大磯砂でも化粧砂でもOKです。
ベタは上層〜中層をメインに生活しますので、底砂は対して影響しません。
水質にもうるさくないので、弱酸性〜中性をなんとなく保っていればOKです。
糞の掃除をしやすくするのであれば大磯砂など、水草を植えたいのであればソイルが良いでしょう。
水草はぜひ入れましょう!
水草は水質改善のためにぜひ入れておきましょう。
夜には水草に身体をあずけて眠るベタの姿を楽しむことができます。
水草の種類はその水槽で管理できるものならなんでもOKだと思います。
僕はロタラやハイグロフィラ、アヌビアス、スクリューバリスネリア、アマゾンソードなど一般的な水草を入れています。
浮草ももちろんOKですよ!
流木や石はベタが怪我しないもの
ベタは結構狭いところも入り込んで泳ぎます。
まるで自分が長いヒレを持っていることに気づいていないかのようです。
長いヒレが引っかかってしまわないように、鋭利で複雑に絡み合う流木は避けたほうが良いかもしれませんね。
他の熱帯魚やエビとは同居できる?
これは個体差があると思うのではっきりとは言えませんが、我が家の飼育環境では以下の通り混泳が可能です。
生活圏の被らない魚はOK
ベタは水槽内の上層〜中層を泳ぐことが多いです。
もちろん上にも下にも行きますが。
ベタの口を観察すると水面のエサを取りやすい形になっています。つまり川底などで暮らす魚ではないように思います。
ですので、水槽内の底で暮らす熱帯魚なら問題なく混泳できます。
具体的にはコリドラスは混泳可能です。攻撃されることもありません。
オトシンクルスも地味で目立たないせいか(笑)、混泳可能です。
ヒレが長く、生活圏の被るグッピーなどはちょっと危険かもしれないですね。
ネオンテトラなどと混泳されている方は多いように思います。僕は未経験ですが。
エビは多少捕食されるかも
コケ対策にエビを投入している方も多いかと思います。
ヤマトヌマエビのような大きいエビであれば問題は無いと思います。
ミナミヌマエビやビーシュリンプのような小型のエビは、場合によっては追いかけられています。腹を空かせたベタなら捕食してしまうかもしれません。
ただしベタにエサをきちんと与えていれば大丈夫です。エビも簡単には捕まりません。
逆に、弱ったベタがヤマトヌマエビに食べられた、なんていう話も聞きますが、これは病気などでかなり弱った状態だったのではないかと思っています。
日々の飼育とコミュニケーション
ベタは非常に賢い魚です。
そしてとても人懐こい魚でもあります。
コミュニケーションをとってみよう
人に慣れてくると、エサがなくても指を追ってくるようになったり、水槽内に手を入れても逃げること無く寄ってくるようになります。
この動画では「手乗りチャレンジ」なんて言っていますが、手のひらに入ってきてくれたときはそれはもう嬉しいものです。
フレアリングは忘れずに!
ベタは他のオスを威嚇する際に、全身のヒレを広げて身体を震わせる『フレアリング』という行動をします。
エラも全開にして威嚇するベタのフレアリングは、初めて見たときはこちらも興奮しました!
ベタにフレアリングさせるのはとても簡単です。
水槽のガラス越しに、鏡などを当ててベタの姿を映してあげましょう。
鏡に映った自分を他のオスだと思い、フレアリングしてくれます。
フレアリングはヒレやエラの『癒着』を防ぐためにもできるだけ毎日行いましょう。
コミュニケーションの時間だと思えば楽しいものです。
水換えやエサは?
水換えは基本的に減った分を足す「足し水」で管理できます。
気になるようでしたら、2週間に1度、1/3換水程度で良いと思います。
もちろん水質悪化に強いと言っても、カルキ抜きはしっかりと行いましょう。
エサは人工飼料もよく食べるので、水面に浮くタイプの餌を与えれば大丈夫です。底面に沈むエサも奪いに行きます。
乾燥アカムシ、冷凍アカムシもよく食べます。エサで困ることは滅多にないでしょう。
水面に泡がたくさん!
ベタを飼っていると、ある朝とつぜん水面に泡が大量に浮かんでいることがあります。
これは成熟したベタのオスが作る「泡巣(ほうそう)」というもの。
泡巣のしたでオスとメスは情熱的な交尾を行います。
ベタはオスが子育てをする魚で、メスと交尾したあと卵をこの泡巣にくっつけます。
生まれた稚魚もしばらくこの泡巣で暮らします。
稚魚を育てるオスベタの姿はなかなかの感動モノ。
ベタの飼育に慣れてきたら、繁殖にチャレンジするのもベタ飼育の楽しみの一つ。
あとがき
ついつい長い記事になってしまいました。
「コップで飼える」というキャッチフレーズのせいで、もしかしたら狭くて苦しい環境の中で飼育されているベタもいるかもしれません。
長期飼育をするのであれば、ぜひワンランク大きな水槽で飼育してみましょう。
泳ぎ回るベタの姿や、水草にもたれかかって眠る姿など、コップの中では見れない姿も見せてくれるようになるはずです。
そもそも大きい水槽のほうが水質の管理とかも楽になりますし。そこから水草とかレイアウトに凝りだしてアクアリウム沼に・・・笑
当ブログにもベタについて書いた記事がたくさんありますので、興味があれば読んでみてくださいね!
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