9月6日午前3時、北海道を大地震が襲いました。
北海道胆振東部地震と名付けられたこの地震は、北海道胆振地方の中東部を震源としたこの地震は、厚真町で震度7を計測したのを始め、安平町やむかわ町で震度6強、札幌市や千歳市でも震度6弱を記録しました。
地震発生からほどなく停電が発生し、北海道全域295万戸が停電となりました。
翌日7日には電力の復旧も進み、新千歳空港やJR、地下鉄なども再開、8日には停電はほぼ解消されるという異常とも言えるスピード復旧を果たしました。
今回、僕も札幌市内で震度6弱という大きな揺れを経験しました。
我が家では一般家具の上に設置していたガラス水槽が家具ごと倒れ、水槽が全壊しました。
その他の水槽は軒並み飼育水が1/3ほど溢れました。
熱帯魚を飼育している身として、今回の地震の被害リポートや地震対策などを考えてみたい思います。
我が家でのアクア関連の被害
水槽や機材など
前述の通り、メイン水槽が台ごと倒壊しました><
YouTubeにも度々アップして、ライブでも背景映像にしていたこの水槽…
コトブキのレグラスたん。
曲げガラスでお気に入りだったのにー!
奥に写っているナチュラルブラウンの家具に乗せていたのですが、家具ごと倒れました。
そんなに背の高い台ではないのですが、重心が上にあったため大きな揺れに耐えられなかったようです。適切な水槽台を使わなかった自分のミスです。
厚さ5mmのガラスも粉々に砕けました。
フィルターも落下の衝撃で破損してしまいました。
ライトも水を被りましたが、すぐにコンセントを抜き完全に乾かしたところ、正常に点灯するようになりました。
その他の水槽ですが、ミナミヌマエビ水槽、水草ストック60cm水槽、ベタ水槽がそれぞれ1/3ほどの水が溢れてしまいました。
カーテンがびしょびしょ・・・
幅の広い台に乗せていたからから、もしくは揺れの方向が幸いしたのか、倒壊は免れました。
熱帯魚などの生体の被害
倒壊した水槽には生体が
- 青コリ2匹
- オトシンクルス3匹
- アカヒレ5匹
- ヤマトヌマエビ2匹
- フネアマガイ1匹
が入っていたのですが、アカヒレ1匹が★になった以外はすべて救出し、別の水草水槽に移しました。
その作業も真っ暗な中、懐中電灯を照らしながらガラス片やソイルや砂の交じる水浸しの床で行ったので結構怖かったです・・・
水草水槽に避難した青コリ。
こちらも鉢植えのソイルや赤玉土がこぼれてますが、2日経って落ち着いているようです。
水草についてはすべて水草水槽に移しました。
まだ植栽など手を付けていないため、スクリューバリスネリアは浮かべたままになっています。
水浸しの床の掃除
マンション住まいなので、水浸しとなった床の掃除を優先しました。
こぼれた水の量は全部併せて25リットルくらいだと思いますが、飼育水のみならまだしも割れたガラスやソイル、砂などが混じっていたので慎重かつ迅速に作業しなければなりません。
まずガラス片を素足で踏まないように倒れた水槽台の裏を通り、ベランダのサンダルを履きました。
そのまま浴室へ行き、雑巾、フェイスタオル、バスタオルなどを床に広げて吸水、バケツに絞るという作業を繰り返しました。
停電前に作業に取りかかれたのは不幸中の幸いです。
ほどなくして停電となり、暗闇の中で懐中電灯の明かりを頼りに作業をしました。
タオルを絞る際にガラス片が手に刺さる可能性もあったのですが、気にしていられないというのが当時の状況です。
避難時のエアレーションなど
床の水をあらかた掃除し終わったあと、午前9時ころ実家へ避難しました。
マンションだと電気が止まると断水してしまうのと、やはり家族で集まっていたほうが安心だからです。
避難する際にはPCや家電などのコンセントを抜き、ブレーカーを切り、ガスの元栓を締めて避難をしました。
家を空けている期間は、停電しているため当然エアレーションは行なえません。
フィルターも未稼働になります。
どのくらいの期間不在にするかもわからないため、魚たちの生命力を信じるのみです。
震度6弱なんて、手の打ちようがない
地震対策についてですが、巨大地震に対してアクアリウムの対策は難しいと感じました。
誤解のないように言っておきますが、対策をするだけ無駄、という意味ではありません。
地震大国である日本において、震度1~3程度の揺れならば頻繁に感じるもので、一般的な水槽台を使用し適切に水槽を設置し、水位も正常に保っておけば問題ないかと思います。
ただ、大地震の際は自分の身の安全の確保が第一となります。
飼育者が怪我などで身動きが取れなくなっては、ペットどころではありません。飼育者ありきのペットです。
とはいえ、日頃からできる地震対策、倒壊予防はあります。
個人的に考える地震対策は以下のとおりです。
適切かつロータイプの水槽台の使用
背の高い家具や台の上に水槽を設置すると、重心が高くなり倒れやすくなります。
またカラーボックスなどの強度が弱いものは揺れによって倒壊しやすいです。
十分な強度のある水槽台、そして背の低い水槽台を使うことで倒壊のリスクを減らすことができます。
メタルラックを水槽代替わりにしている人も多いかと思いますが、天井に突っ張るタイプのメタルラックだと多少安心かもしれません。
メタルラックを使う場合もなるべく低い位置の棚に水槽を設置したほうが良いと思います。
個人的にはメタルラックは小さな水槽用かなと考えています。
適切な水位を保つ
オールガラスの水槽は水位を高くするほどインテリア性が高くなって見た目も良いのですが、やはり適正水位を守ったほうが良いと感じました。
地震当時は水槽に記載された水位線よりも低くしていたのですが、それでも大量の水がこぼれてしまいました。
アウトドア用のタンクを用意しておく
これは実践しているわけではないですが、いずれやろうと思っていることです。
このウォータータンクとかウォータージャグと呼ばれる商品、キャンプやアウトドアイベントで使うアイテムなのですが、これに常時水道水を入れておこうかと考えています。
地震で断水となったときに、熱帯魚はおろか人間用の水としても使えるからです。(飲むかは別として…)
また断水復旧時の水道水は普段とは違いかなり汚れているそうで、熱帯魚にも良くないと言われています。
常時ウォータータンクに水を確保しておけば、きれいな水を供給することができます。
平時の水換えにも、このタンクに一日組水しておけばカルキも抜けます。
軽度の地震には備える
震度6や震度7といった大地震は頻発するものではありません。
それに対して常日頃備えるのは難しいことですし、少々ナンセンスです。
日頃から地震に備えて水槽にラップをかけるか。
電気がなくても保温できるように発泡スチロールを被せるか。
アクアリウムはその他のペットとは違い、インテリアとしての側面もありますから、日頃からそんなことをしている人は殆どいないと思います。
アクアリウムで備えるべき地震対策は軽度な揺れに対するもので良いと考えます。
震度7などの大きな揺れに対しては、守るべきものの優先順位をつけることも大事なのではないかと、この度の北海道胆振東部地震に遭遇して感じました。
もちろん熱帯魚は大切なペットです。
ですが優先すべきは我が身、家族、友人などの安全です。
大地震の際は人間の食料の確保も難しくなります。
大きな電光標識も損壊します。
停電、断水、交通の麻痺など、都市の機能が停止します。
長期的な避難所生活も余儀なくされる可能性もあります。ペットが心の支えになる場合も多いかと思いますが、大きな災害のときには人命を最優先する必要があります。
地震の被害に合われた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、避難生活をされている方に一日でも早く以前の生活が戻ることをお祈り申し上げます。
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